SC-88ProのROMを吸い出して88emuを実行してみた

 2026年9月にリリースされるや否や世界中を騒がせているRoland SC-88Pro…というかRolandの有名どころのMIDI音源エミュレータを軒並みサポートしている88EmuProですが、これを動作させるには言うまでも無く実機ROMを吸い出す必要があるため、多くの人が四苦八苦しています。
※厳密に言うとコントロールROMはソケットから簡単に抜けるんですが、基板に半田付けされたサウンド波形ROM(4MB×5枚)をどうすんねんという話。

 あ、メチャクチャ変態過ぎる方法でハックしてる大御所がいますけど、この人は最強の存在なのでコレを基準にしない方が良いです。

 ですが、以前からSC-55のROM吸い出しツールなどをリリースしているs45e_mid(shingo45endo)さんが「SC-88ProのコントロールROMを吸い出し&パッチを当てたものをEPROMに焼いて本体に戻し、MIDIメッセージに波形ROMデータを載せてPCに送信する(ハンダゴテも不要!)」という超イージーな方法を実用化してくれたおかげで、ちょっと頑張れば誰でも88EmuProを実行できるようになりましたので、その手順メモです。


・必要な機材

1.Roland SC-88Pro (MIDI音源本体)
 そりゃそう。

2.Roland UM-ONE mk2または互換性のあるUSB MIDIインタフェース
 PCとSC-88Proを接続して吸い出すのでMIDIインタフェース必須。
 まあUM-ONE mk2を買うのが無難でしょう。挿すだけで使えるので。

3.コントロールROMと互換性のあるEPROM(容量8Mbit)
 私はaliexpressでM27C800-120F1を1個500円ほどで購入。
 運が良いと300円台で買えるので適当に探しましょう。

4.M27C800を焼ける&コントロールROMを読めるROMプログラマ
 42ピンEPROMに対応していれば何でも行けるので、今だとXGecu T48にXGecu ADP_D42_EX-Aアダプタを付けるのが一番安いと思います。
 ちなみに私はADP_D42_EX-Aが無いと吸えないことにSC-88Proを分解してから気づいたので、大昔に買ったTOP3000というWindows7用のROMプログラマのWindows11-64bitドライバをClaude Fable5.1に書かせるという荒技で対処しました。
 欲しい人向けに一応うp:https://i486.mods.jp/sc88pro/Topall_ver8_Win11.zip
※自己責任で! TOP3000をUSB接続して1_Install_Driver_Win11.batを管理者実行してからTopall.exeを起動すると認識しました。

5.ICソケット抜き
 42ピンEPROMを抜くのは相当な幅広工具が必要ですが、マイナスドライバで引っこ抜いてコントロールROMの脚を曲げて冷や汗をかいたで、貴重なSC-88Proは大事に扱いましょう。


・作業工程メモ

1.SC-88Proの側面ネジと背面ネジ(上半分全部)を抜いてボディを開ける。

2.メイン基板を止めている3本のネジを抜いて、少しだけメイン基板を前にずらしながら斜め上に持ち上げてコントロールROMを露出させ、IC抜き工具で取り外す。

 赤枠で囲んでいる箇所が42pinコントロールROM。経年劣化で脚が弱くなっているので、そっと外した方が良さそう。
 ちなみに写真左に縦5枚並んでいるのが波形ROMです。

3.外したコントールROMをROMプログラマにセットして吸い出す。
 TOP3000クライアントだとType:EPROM・Vendor:ST・Chip:M27C800のプリセットで吸えました。ちなみに保存ファイル名を sc88pro_control.bin にしておくと88EmuProでそのまま使えます。

4.サイト sc-mcu-wave-romdumper にアクセスし、[Choose a file]で吸い出したコントロールROMを選択。ステータスが適切に取得できたら[Patch and download]でパッチ済みROMデータを取得する。
 コケたら残念ながら非対応バージョンだと思うのでSC-88Proをもう1台買おう!

5.パッチ済みROMデータをROMプログラマのクライアントソフトでEPROMに書き込み。私はM27C800なので何も気にせずサクッとTOP3000で焼けました。

6.書き込みが終わったEPROMをSC-88Proにセットし、USB MIDIインタフェース経由でPCに接続。

7.今度はROMダンパーサイトを開き、MIDIアクセスを承認。
 1.ConnectionのMIDI InとMIDI Outを適切に選んで[Check connection]を実行。
 ※SC-88Proのボディをちゃんと閉じてないとココでコケるよ。
 2.SynthはRoland SC-88Proを選択。
 そして[Dump over MIDI]をクリックし、ここから約300分(6時間!!!)待ちます。
 正直、夜寝る前にセットしてそのまま睡眠に突入するのが無難。Zzz..

8.無事に吸い出しが完了すると[Save all files]が選択可能になるのでコレをクリックして、全ての波形ROMデータをダウンロードします。

9.このタイミングで88EmuProの最新版をダウンロードし、ZIPを展開。
 ちなみに本稿執筆時のWindows最新版は
TheUsualSuspects-88emuPlayer-Standalone-2.2.25-win64.zip でした。

10.プログラム 88emuPlayer.exe を実行すると適切なROMをフォルダにセットするよう指示表示が出るので、ROM保存フォルダ(Documents\The Usual Suspects\88emuPlayer\roms)を開いて、ここにコントロールROM+吸い出した波形ROMを全てコピーし、プログラムを終了。

11.再び 88emuPlayer.exe を実行し、実機起動時と全く同じLCD表示になれば成功。
 現時点では簡易MIDIプレーヤーとしての機能しかないのですが、手持ちのMIDIファイルを再生して、ノイズのない綺麗な音を堪能しておきましょう。

AIで開発したプログラムまとめ(2026/10/04 updated)

 連日Claudeの上限まで叩きすぎて自分でも意味わからんことになりつつ、とりあえず自分で管理も兼ねて、ここ最近AIで作ったものを列挙するテスト。

・索引
1.ストリーミング動画配信プログラム[Mini Media Server]
2.マジカルチェイス for Windows95をWindows11で正常動作させるツール
3.特別な機器に頼らず初代プレステのBIOSを吸い出す!
4.特別な機器に頼らずセガサターンのBIOSとセーブデータを吸い出す!
5.仮想プリンタドライバ「ALL-JOINT-PRINTER」
6.PC98サウンドをWin11で再生する「GMPV3Studio」
7.ファミコンカセット斜め差し「物理シミュレート式」NESエミュレータfamitilt

8.プリント倶楽部エミュレータ PrintClubEmu
9.PC98のゲームをWin11で実行する「PC98PLAYER」
10.コメットサマナーをウインドウ化しながら「当時の音」を再現するツール
11.PC版SUPER1500リブルラブルを遊びやすくするツール
12.RomSpcRipでスーファミROMからサントラを生成しよう!(一生ベータ版)


1.ストリーミング動画配信プログラム[Mini Media Server]
 
 もともとAndroidにQloud Mediaというロケフリ動画プレーヤーがあったものの、それが最近のAndroidでついに動かなくなってしまったので、それを自分用に作りやすいよう新規設計したサーバプログラムです。
 サーバはWindowsコンソールプログラムですが、クライアントは単なるウェブブラウザで動作する汎用タイプにしたのでWindowsの母艦さえあれば再生は何でもOK。
 https://i486.mods.jp/ichild/minimediaserver


2.マジカルチェイス for Windows95をWindows11で正常動作させるツール

 本作はもともとWindows95用に作られたソフトのためWindowsXPの時点でゲームパッドがバグり、Windows11ではインストーラすらまともに動作しない状況だったので、その状況を改善するために開発。 最終的に「CDからファイルコピーしてDLL1個置くだけで快適に遊べる」まで使い勝手を良くできました。
 このツールの開発に用いたClaudeのプロンプトは別記事にまとめてあります。
 https://i486.mods.jp/ichild/mchase


3.特別な機器に頼らず初代プレステのBIOSを吸い出す!

 AI開発系で最も反響がデカかった一品で、大御所も巻き込んでムーブメントに。
 当初はCD-Rに焼いた自作ツールをPSで走らせて音声エンコードしたBIOSイメージをWindows PCで録音・変換する仕組みでスタートしましたが、最終的にはビデオキャプチャで爆速吸い出しorスマホカメラでも吸い出せるようになりました。 
 https://i486.mods.jp/ichild/ps1bios


4.特別な機器に頼らずセガサターンのBIOSとセーブデータを吸い出す!

 上述のプレステBIOSの続編。サターンBIOS+内蔵セーブデータ+パワーメモリーを吸い出せるツールです。
 セガサターンの利用者がプレステより少ないゆえに反応は少なかったものの、実際に喜びの声が多かったのはこっちの方。
 https://i486.mods.jp/ichild/segasaturn_bios


5.仮想プリンタドライバ「ALL-JOINT-PRINTER」

 Windowsのプリンタに「Microsoft Print to PDF(紙に出す代わりにPDFに出力する)」など仮想プリンタドライバがありますが、それを進化させて「印刷したページを次々と連結・ページ分割・文字/画像挿入」などが可能なドキュメントハンドリングツールです。
 おそらく完全フリーソフトかつ広告などの見返りを求めない仮想プリンタドライバの中では、最も性能が良いはずです。
https://i486.mods.jp/ichild/ajpr


6.PC98サウンドをWin11で再生する「GMPV3Studio」

 Windowsマシン上でPC98のゲームソフトの音楽を再生するメディアプレーヤーです(厳密にはPC98用音楽再生ツールGMPV3をWindows GUI化するツール)。
 Leafの「雫」「痕」、ELFの「同級生」「同級生2」「下級生」、C’s Wareの「EVE Burst Error」などゲーム史に残る名作の曲をいつでも堪能できます。
 https://i486.mods.jp/ichild/gmpv3studio


7.ファミコンカセット斜め差し「物理シミュレート式」NESエミュレータfamitilt
 
 ファミコンカセットを斜め差しに対応したエミュレータは昔からいくつか存在していますが「ドラゴンボール3悟空伝のいきなりエンディング」を実行できるレベルで実機の挙動を模倣したものは今まで無かったので、試しにClaudeに条件をいくつか伝えたところ、電気仕様まで考慮してホントに出来てしまいました。
https://i486.mods.jp/ichild/famitilt


8.プリント倶楽部エミュレータ PrintClubEmu
 
 MAMEでは正常動作せずエラーで動作停止するSEGA SYSTEM C-2版の初代「アトラス版プリント倶楽部」の実機ROM+PCのウェブカメラ+プリンタを使って、現代にプリクラを復活させるエミュレータです(記事中に開発プロンプト付き)
 MITライセンスで公開するので、奇跡的に「倉庫で壊れたプリクラを放置したままの全国のゲーセン経営者」の方にプリクラ実機復活を期待します。
https://i486.mods.jp/ichild/printclubemu


9.PC98のゲームをWin11で実行する「PC98PLAYER」

 メディアプレーヤーGMPV3Studioの派生形でPC98ゲームをWindows上で実行できるようになる簡易エミュレータです。
 仮想ディスクイメージを作らずにそのまま直接走るので、Windowsネイティブアプリのように98用ゲームソフトを遊べて、SHIFT+F12(スピードブースト)、SHIFT+F11&F11(どこでもセーブ&ロード)などの機能も拡張してあります。
https://i486.mods.jp/ichild/pc98player


10.コメットサマナーをウインドウ化しながら「当時の音」を再現するツール

 コンパイルのCD付き雑誌DiskStation20号「コメットサマナー」と22号「コメットサマナー/タイムトライアルバージョン」をウインドウ化するツールです。
 マジカルチェイスのウインドウ化に似ていますが、さらにこのツールではKbMedia Playerを用いて擬似FM MIDIソフトシンセでBGMを鳴らすことで、1998年当時のBGM再生環境を再現します。ついでにXInputに対応してゲームパッド操作も快適に。
https://i486.mods.jp/ichild/cometsummoner


11.PC版SUPER1500リブルラブルを遊びやすくするツール

 令和8年10月現在、PCで遊べるリブルラブルの移植版は「メディアカイトSUPER1500リブルラブル(もしくはナムコクラシックVol.2)」だけですが、あまりにも完成度が低い&スピードがおかしい&Win11だとフリーズバグもあるので、それを修正しいつつ最近のアナログスティック×2なコントローラにも対応します。
https://i486.mods.jp/ichild/lr1500


12.RomSpcRipでスーファミROMからサントラを生成しよう!(一生ベータ版)

 これまでのAI系ツールとはかなり毛色の違う、中級~上級者向け解析ツールです。ROMダンパーで吸い出したスーファミソフトを読ませることで内蔵音源データ(SPC)を抽出し、自前でサウンドトラックを作れます。
 …が、原理的に対応できないものは絶対に対応できないので「成功すればラッキー」くらいの認識で使ってください。あ、FF6とクロノトリガーはOKです。
https://i486.mods.jp/ichild/romspcrip