「超ファミつく」で遊んでみた

 レトロゲームの再生産やゲーム互換機の販売で有名なコロンバスサークル様(以後敬称略)がTwitterで実施した懸賞でSFC互換機「超ファミつく」が当選したので、ちょいと遊んでみました。
 ただし、ウチは3Dプリンタだの加工機だの高度なアイテムなんざ持ってないので、志は低めに目標は次の三つ。

1.ニンテンドースイッチと同じくらい画面がデカい(=7インチ)。
2.AC電源が要らない(=完全バッテリ駆動)。
3.ケースに収納できるポータブル型。

 そんなこんなでスタートです。

【コロンバスサークル】コロンバスサークル CC-SFCFT-GR 超 ファミつく SFC互換機DIYキット スーパーファミコン

価格:4,070円
(2023/3/12 15:12時点)
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・そもそも「超ファミつく」って何?
 コロンバスサークルが販売しているSFC互換機「16BIT COMPACT」の基板+ACアダプタ+パッド2個だけを単品販売しているバルク基板です。
 つまり外装パーツが無いので、どんなハコに組み込んで使うかを楽しむ商品です。

・ハードウェア仕様
 詳しくはパッケージに書いてある仕様を参考にしていただければと思いますが「出力はRCAコンポジット+S端子、電源はセンターマイナスDC10V/600mA」です。

・7インチアナログ液晶パネルの入手
 なので「アナログ映像入力が可能で、バッテリ駆動できる7インチ液晶パネル」が必要なわけですが、最近売られている多くのパネルはHDMI接続で変換回路が必要なうえ、全て揃えるとそこそこのお値段になります。
 懸賞で当選したとはいえ実売5,000円以下の互換機のためにそこまでやってられないので、いざ人柱で下記パネルを購入しました。

Amazon : OBEST 7インチモニター (執筆時3,599円)

 ただし超ファミつく接続時には画面左下にノイズが出たので、完全に適合するとは言いがたい」です。

(画面左下がビリビリしている様子)

 あくまで「安価にリモコン対応パネルを買いたい場合」に適切なだけで、もしかすると完璧に表示できる製品が別にあるかもしれません。
 ちなみに、同じくAmazonで大量に売られている「4.3インチ液晶パネル」は擬似NTSC信号と相性が悪く、適切な同期が取れなくてずっと画面がグルグル回っていたので、回避した方が良さそうです

・液晶パネル用のセンタープラスDC12Vを生成する
 前述のOBEST7インチモニターを動かすために、12V/400mAの電力源を引っ張ってくる必要があります。
 と言っても、その程度の低電力の12Vを生成するだけなら、USBモバイルバッテリにDC12V昇圧ケーブルを繋ぐだけでOK。
 今回のモニタのDC端子仕様は「外径5.5mm、内径2.1mm、センタープラス」なので、ごく普通の汎用格安品で良いでしょう。

Amazon : LANMU USB 5V-9V/5V-12V DC電源供給ケーブル(執筆時899円)

 USBモバイルバッテリと7インチモニタをこのケーブルで繋いで、靑画面が出力されれば成功です。
 あと、この記事を読んでチャレンジする人は大丈夫とは思いますが、おそらく超ファミつく本体にこのセンタープラス12Vを流し込むと即死すると思います。
 
接続時には要注意!

・超ファミつく用のセンターマイナスDC10Vを生成する
 そしてここからが少し厄介なのですが、USBモバイルバッテリからセンターマイナスDC10V/600mAを生成できる安価な既製品はほとんど無いです。
 もしかするとファミコンのように「実は本体内5V駆動で、基板に配線直結すれば10V要らない」という可能性もあるのですが、今回は回路設計までは追いかけないので、素直にダイヤル式DC-DC昇降圧コンバータを使いました。

Amazon :電圧レギュレータ DC-DC昇降圧コンバータ 2個セット (執筆時960円)
 ここに「外径5.5mm、内径2.1mmの端子をセンターマイナスになるように繋ぐ」のですが、ウチはうっかり手持ちのACアダプタをぶった切って繋いだものの、実は前述のOBEST7インチ液晶パネルに同じ仕様のケーブルが付いてます。
※そもそも車載用で12Vバッテリから電源を取るためですね。

 レギュレータのダイヤルを回して約10Vが生成できていることを確認。
 黒棒(マイナス)をDC端子の中央に突っ込んで、センターマイナスもしっかり確認。
 さっきも書いたけど、コレを間違えたら一発アウトだよ。あと、ここで生成したセンターマイナスを液晶モニタに突っ込んでも多分一発アウトだよ。
 とにかく注意!!

・動作テストを行う
 超ファミつく本体と液晶パネルを繋いで、事前に動作テストをします。
 モバイルバッテリは適当な10000mAh(USB5V 2.1A+1.0Aの2口出力)を利用。
 超ファミつく本体が6.5W要求しているのでUSB2.1Aから、液晶パネルは5W以下で動くのでUSB1.0Aから、それぞれDC10VとDC12Vを生成して供給しました。

 これで「AC電源なしでどこでも遊べる7インチ液晶パネル付きSFC」が実現可能であることが確定。
※1万円ちょいでこんなのが作れるとは、とんでもねえ時代だなぁ(‘-`;

・ケースはどうする?
 というわけで、ここから先は皆のアイデア次第です。
 アタッシェケースに組み込むとか、余ってる自作PC用ケースに入れるとか、ここで自分好みに仕上げられるのが超ファミつくの遊びどころ。
 というわけで……

 ドギャーン。

 正気を疑われそうですが、まあサイズ的に「上の黒い部分にほとんど納められるんじゃね? あと、メッシュの部分にボルト+ナットで止められそうだよね。放熱性も良さそうだし」という安直な理由でセレクト。

 結局こんなレイアウトになりますた。
 上フタはヒートシンクに干渉したのでサヨウナラ。
 透明なボディ部分は加工が超難しいので一切触っておりません。
 液晶パネルは透明な「ポスター用 剥がせる両面テープ(100均)」で軽く貼り付け。

・仕上げ
 この状態では「音が鳴らない」「遊んでいない時もUSBモバイルバッテリの残量がゴリゴリ減る」という致命的な問題があるので、それを解決します。

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Amazon : ノーブランド USB延長コードオンオフスイッチ付 (執筆時335円)

 これでスイッチひとつで超ファミつく本体と液晶パネルを同時給電可能に。
※消費電力を考えるとUSB3A出力のモバイルバッテリを使う方が良いかと。

 ダイソーの300円USBミニスピーカーと、それをRCAの赤白オーディオ端子に接続するためのRCAオス-ステレオミニメス変換端子を用いて接続。
(もっとスマートに仕上げるならスピーカーモジュールだけ取り出して、ボリュームコントローラを外から触れるようにした方が良いですね)

・完成形

~最後に~

 当初の目的を振り返ります。

1.ニンテンドースイッチと同じくらい画面がデカい(=7インチ)。
 良い感じ。

2.AC電源が要らない(=完全バッテリ駆動)。
 これもバッチリ。

3.ケースに収納できるポータブル型。
 プレイ中はカセットが外に露出するものの、本体・画面・バッテリ・スピーカーすべて虫かごに収納できて満足です。

 虫かごの加工はニッパーとカッターナイフのみ、極性チェックに使ったテスター以外は大抵のご家庭にあるはず。
(テスターは1000円以下で買えるので1台くらい持っておくのが吉)
 そんなわけで「超ファミつくを利用した7インチ携帯型SFC互換機」は無事完成。
 皆様も何か面白そうなケースを探してチャレンジしてみましょう。

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