SC-88ProのROMを吸い出して88emuを実行してみた

 2026年9月にリリースされるや否や世界中を騒がせているRoland SC-88Pro…というかRolandの有名どころのMIDI音源エミュレータを軒並みサポートしている88EmuProですが、これを動作させるには言うまでも無く実機ROMを吸い出す必要があるため、多くの人が四苦八苦しています。
※厳密に言うとコントロールROMはソケットから簡単に抜けるんですが、基板に半田付けされたサウンド波形ROM(4MB×5枚)をどうすんねんという話。

 あ、メチャクチャ変態過ぎる方法でハックしてる大御所がいますけど、この人は最強の存在なのでコレを基準にしない方が良いです。

 ですが、以前からSC-55のROM吸い出しツールなどをリリースしているs45e_mid(shingo45endo)さんが「SC-88ProのコントロールROMを吸い出し&パッチを当てたものをEPROMに焼いて本体に戻し、MIDIメッセージに波形ROMデータを載せてPCに送信する(ハンダゴテも不要!)」という超イージーな方法を実用化してくれたおかげで、ちょっと頑張れば誰でも88EmuProを実行できるようになりましたので、その手順メモです。


・必要な機材

1.Roland SC-88Pro (MIDI音源本体)
 そりゃそう。

2.Roland UM-ONE mk2または互換性のあるUSB MIDIインタフェース
 PCとSC-88Proを接続して吸い出すのでMIDIインタフェース必須。
 まあUM-ONE mk2を買うのが無難でしょう。挿すだけで使えるので。

3.コントロールROMと互換性のあるEPROM(容量8Mbit)
 私はaliexpressでM27C800-120F1を1個500円ほどで購入。
 運が良いと300円台で買えるので適当に探しましょう。

4.M27C800を焼ける&コントロールROMを読めるROMプログラマ
 42ピンEPROMに対応していれば何でも行けるので、今だとXGecu T48にXGecu ADP_D42_EX-Aアダプタを付けるのが一番安いと思います。
 ちなみに私はADP_D42_EX-Aが無いと吸えないことにSC-88Proを分解してから気づいたので、大昔に買ったTOP3000というWindows7用のROMプログラマのWindows11-64bitドライバをClaude Fable5.1に書かせるという荒技で対処しました。
 欲しい人向けに一応うp:https://i486.mods.jp/sc88pro/Topall_ver8_Win11.zip
※自己責任で! TOP3000をUSB接続して1_Install_Driver_Win11.batを管理者実行してからTopall.exeを起動すると認識しました。

5.ICソケット抜き
 42ピンEPROMを抜くのは相当な幅広工具が必要ですが、マイナスドライバで引っこ抜いてコントロールROMの脚を曲げて冷や汗をかいたで、貴重なSC-88Proは大事に扱いましょう。


・作業工程メモ

1.SC-88Proの側面ネジと背面ネジ(上半分全部)を抜いてボディを開ける。

2.メイン基板を止めている3本のネジを抜いて、少しだけメイン基板を前にずらしながら斜め上に持ち上げてコントロールROMを露出させ、IC抜き工具で取り外す。

 赤枠で囲んでいる箇所が42pinコントロールROM。経年劣化で脚が弱くなっているので、そっと外した方が良さそう。
 ちなみに写真左に縦5枚並んでいるのが波形ROMです。

3.外したコントールROMをROMプログラマにセットして吸い出す。
 TOP3000クライアントだとType:EPROM・Vendor:ST・Chip:M27C800のプリセットで吸えました。ちなみに保存ファイル名を sc88pro_control.bin にしておくと88EmuProでそのまま使えます。

4.サイト sc-mcu-wave-romdumper にアクセスし、[Choose a file]で吸い出したコントロールROMを選択。ステータスが適切に取得できたら[Patch and download]でパッチ済みROMデータを取得する。
 コケたら残念ながら非対応バージョンだと思うのでSC-88Proをもう1台買おう!

5.パッチ済みROMデータをROMプログラマのクライアントソフトでEPROMに書き込み。私はM27C800なので何も気にせずサクッとTOP3000で焼けました。

6.書き込みが終わったEPROMをSC-88Proにセットし、USB MIDIインタフェース経由でPCに接続。

7.今度はROMダンパーサイトを開き、MIDIアクセスを承認。
 1.ConnectionのMIDI InとMIDI Outを適切に選んで[Check connection]を実行。
 ※SC-88Proのボディをちゃんと閉じてないとココでコケるよ。
 2.SynthはRoland SC-88Proを選択。
 そして[Dump over MIDI]をクリックし、ここから約300分(6時間!!!)待ちます。
 正直、夜寝る前にセットしてそのまま睡眠に突入するのが無難。Zzz..

8.無事に吸い出しが完了すると[Save all files]が選択可能になるのでコレをクリックして、全ての波形ROMデータをダウンロードします。

9.このタイミングで88EmuProの最新版をダウンロードし、ZIPを展開。
 ちなみに本稿執筆時のWindows最新版は
TheUsualSuspects-88emuPlayer-Standalone-2.2.25-win64.zip でした。

10.プログラム 88emuPlayer.exe を実行すると適切なROMをフォルダにセットするよう指示表示が出るので、ROM保存フォルダ(Documents\The Usual Suspects\88emuPlayer\roms)を開いて、ここにコントロールROM+吸い出した波形ROMを全てコピーし、プログラムを終了。

11.再び 88emuPlayer.exe を実行し、実機起動時と全く同じLCD表示になれば成功。
 現時点では簡易MIDIプレーヤーとしての機能しかないのですが、手持ちのMIDIファイルを再生して、ノイズのない綺麗な音を堪能しておきましょう。

AIで開発したプログラムまとめ(2026/10/04 updated)

 連日Claudeの上限まで叩きすぎて自分でも意味わからんことになりつつ、とりあえず自分で管理も兼ねて、ここ最近AIで作ったものを列挙するテスト。

・索引
1.ストリーミング動画配信プログラム[Mini Media Server]
2.マジカルチェイス for Windows95をWindows11で正常動作させるツール
3.特別な機器に頼らず初代プレステのBIOSを吸い出す!
4.特別な機器に頼らずセガサターンのBIOSとセーブデータを吸い出す!
5.仮想プリンタドライバ「ALL-JOINT-PRINTER」
6.PC98サウンドをWin11で再生する「GMPV3Studio」
7.ファミコンカセット斜め差し「物理シミュレート式」NESエミュレータfamitilt

8.プリント倶楽部エミュレータ PrintClubEmu
9.PC98のゲームをWin11で実行する「PC98PLAYER」
10.コメットサマナーをウインドウ化しながら「当時の音」を再現するツール
11.PC版SUPER1500リブルラブルを遊びやすくするツール
12.RomSpcRipでスーファミROMからサントラを生成しよう!(一生ベータ版)


1.ストリーミング動画配信プログラム[Mini Media Server]
 
 もともとAndroidにQloud Mediaというロケフリ動画プレーヤーがあったものの、それが最近のAndroidでついに動かなくなってしまったので、それを自分用に作りやすいよう新規設計したサーバプログラムです。
 サーバはWindowsコンソールプログラムですが、クライアントは単なるウェブブラウザで動作する汎用タイプにしたのでWindowsの母艦さえあれば再生は何でもOK。
 https://i486.mods.jp/ichild/minimediaserver


2.マジカルチェイス for Windows95をWindows11で正常動作させるツール

 本作はもともとWindows95用に作られたソフトのためWindowsXPの時点でゲームパッドがバグり、Windows11ではインストーラすらまともに動作しない状況だったので、その状況を改善するために開発。 最終的に「CDからファイルコピーしてDLL1個置くだけで快適に遊べる」まで使い勝手を良くできました。
 このツールの開発に用いたClaudeのプロンプトは別記事にまとめてあります。
 https://i486.mods.jp/ichild/mchase


3.特別な機器に頼らず初代プレステのBIOSを吸い出す!

 AI開発系で最も反響がデカかった一品で、大御所も巻き込んでムーブメントに。
 当初はCD-Rに焼いた自作ツールをPSで走らせて音声エンコードしたBIOSイメージをWindows PCで録音・変換する仕組みでスタートしましたが、最終的にはビデオキャプチャで爆速吸い出しorスマホカメラでも吸い出せるようになりました。 
 https://i486.mods.jp/ichild/ps1bios


4.特別な機器に頼らずセガサターンのBIOSとセーブデータを吸い出す!

 上述のプレステBIOSの続編。サターンBIOS+内蔵セーブデータ+パワーメモリーを吸い出せるツールです。
 セガサターンの利用者がプレステより少ないゆえに反応は少なかったものの、実際に喜びの声が多かったのはこっちの方。
 https://i486.mods.jp/ichild/segasaturn_bios


5.仮想プリンタドライバ「ALL-JOINT-PRINTER」

 Windowsのプリンタに「Microsoft Print to PDF(紙に出す代わりにPDFに出力する)」など仮想プリンタドライバがありますが、それを進化させて「印刷したページを次々と連結・ページ分割・文字/画像挿入」などが可能なドキュメントハンドリングツールです。
 おそらく完全フリーソフトかつ広告などの見返りを求めない仮想プリンタドライバの中では、最も性能が良いはずです。
https://i486.mods.jp/ichild/ajpr


6.PC98サウンドをWin11で再生する「GMPV3Studio」

 Windowsマシン上でPC98のゲームソフトの音楽を再生するメディアプレーヤーです(厳密にはPC98用音楽再生ツールGMPV3をWindows GUI化するツール)。
 Leafの「雫」「痕」、ELFの「同級生」「同級生2」「下級生」、C’s Wareの「EVE Burst Error」などゲーム史に残る名作の曲をいつでも堪能できます。
 https://i486.mods.jp/ichild/gmpv3studio


7.ファミコンカセット斜め差し「物理シミュレート式」NESエミュレータfamitilt
 
 ファミコンカセットを斜め差しに対応したエミュレータは昔からいくつか存在していますが「ドラゴンボール3悟空伝のいきなりエンディング」を実行できるレベルで実機の挙動を模倣したものは今まで無かったので、試しにClaudeに条件をいくつか伝えたところ、電気仕様まで考慮してホントに出来てしまいました。
https://i486.mods.jp/ichild/famitilt


8.プリント倶楽部エミュレータ PrintClubEmu
 
 MAMEでは正常動作せずエラーで動作停止するSEGA SYSTEM C-2版の初代「アトラス版プリント倶楽部」の実機ROM+PCのウェブカメラ+プリンタを使って、現代にプリクラを復活させるエミュレータです(記事中に開発プロンプト付き)
 MITライセンスで公開するので、奇跡的に「倉庫で壊れたプリクラを放置したままの全国のゲーセン経営者」の方にプリクラ実機復活を期待します。
https://i486.mods.jp/ichild/printclubemu


9.PC98のゲームをWin11で実行する「PC98PLAYER」

 メディアプレーヤーGMPV3Studioの派生形でPC98ゲームをWindows上で実行できるようになる簡易エミュレータです。
 仮想ディスクイメージを作らずにそのまま直接走るので、Windowsネイティブアプリのように98用ゲームソフトを遊べて、SHIFT+F12(スピードブースト)、SHIFT+F11&F11(どこでもセーブ&ロード)などの機能も拡張してあります。
https://i486.mods.jp/ichild/pc98player


10.コメットサマナーをウインドウ化しながら「当時の音」を再現するツール

 コンパイルのCD付き雑誌DiskStation20号「コメットサマナー」と22号「コメットサマナー/タイムトライアルバージョン」をウインドウ化するツールです。
 マジカルチェイスのウインドウ化に似ていますが、さらにこのツールではKbMedia Playerを用いて擬似FM MIDIソフトシンセでBGMを鳴らすことで、1998年当時のBGM再生環境を再現します。ついでにXInputに対応してゲームパッド操作も快適に。
https://i486.mods.jp/ichild/cometsummoner


11.PC版SUPER1500リブルラブルを遊びやすくするツール

 令和8年10月現在、PCで遊べるリブルラブルの移植版は「メディアカイトSUPER1500リブルラブル(もしくはナムコクラシックVol.2)」だけですが、あまりにも完成度が低い&スピードがおかしい&Win11だとフリーズバグもあるので、それを修正しいつつ最近のアナログスティック×2なコントローラにも対応します。
https://i486.mods.jp/ichild/lr1500


12.RomSpcRipでスーファミROMからサントラを生成しよう!(一生ベータ版)

 これまでのAI系ツールとはかなり毛色の違う、中級~上級者向け解析ツールです。ROMダンパーで吸い出したスーファミソフトを読ませることで内蔵音源データ(SPC)を抽出し、自前でサウンドトラックを作れます。
 …が、原理的に対応できないものは絶対に対応できないので「成功すればラッキー」くらいの認識で使ってください。あ、FF6とクロノトリガーはOKです。
https://i486.mods.jp/ichild/romspcrip

マジカルチェイス for Windows95をWindows11対応させたプロンプトまとめ

 Xで発表後ほんのちょっとだけ話題になった「マジカルチェイス for Windows95をWindows11で正常動作させるツール」は、AIサービスClaude Proで作成しています。

https://i486.mods.jp/ichild/mchase

 本稿では「Windows11で動作しないはずのプログラムをどうやって対応させたのか?」を、プロンプト含む一連の流れとともにプロセスを解説します。

※注意※
 当初は前例がなく完全に手探りだったので「クレジット消費が少ないAIモデルを使ったら余計に遠回りになった」「命令が甘い」など多々問題があります。

 あくまで「Windows11非対応ゲームを対応させるための手法の一つ」として参考になればと思います。

・プロンプトを書く前に事前調査
 マジカルチェイス for Windows95を最新のWindowsPCで遊ぶべく、窓化ツールでのウインドウモード対応化やコントローラバグ修正パッチなどの手法は数年前から有志たちによって確立していました。
 また、私自身もマジカルチェイスのプログラムを修正するだけで正常動作できないか解析にチャレンジしたこともあり、DirectDrawの関連DLLを多数コールしているなど大まかな処理を認識したうえで方針を決めました。


・プロンプト1回目/Claude Sonnet 5
「マジカルチェイス for Windowsは各種外部ソフトウェアに頼ったり修正パッチを当てたり256色モードに落とすなど、あらゆる手法で動作環境を構築する必要があるけれど、同一フォルダにDLLを配置するだけでwrapperで描画ルーチンを乗っ取ってサイズ可変ウインドウで動かすようなアプローチは可能?」
(プロンプトとともに実行プログラムMCHASE.EXEをClaudeに提供)

 このプロンプトの重要点は「実行プログラムMCHASE.EXEの提供」「DLLを配置するだけでwrapperで描画ルーチンを乗っ取っての一文」の2点で、これによりClaudeはMCHASE.EXEを逆アセンブルした後にどのようなDLLを呼び出しているのかを調査します。
 結果、画面描画の大半がddraw.dllによって行われていることが判明しました。
 ちなみに本来ddraw.dllはWindowsのシステムフォルダ内にありますが、同名のファイルをMCHASE.EXEと同じ場所に配置することで本来の処理を乗っ取ることができ、それをwrapper DLLと呼称しています。


・プロンプト2回目/Claude Sonnet 5
「最小のフック DLL(C++ のスケルトン一式)を書いてみて」

 前述の結果をもとに、マジカルチェイスと同じフォルダに置いて実行してもエラーが起こらない最小構成のddraw.dllを作成するよう指示。
 …が、ここで未完成のコードが吐かれたため、Visual Studio 2026 Communityのエラーコードをそのままコピペして投げ込んでエラー修正を要請しました。
 これ以降もVisual Studio 2026をメイン開発環境としています。


・プロンプト3回目/Claude Sonnet 5
「MCHASE.EXEを単独起動しようとすると下記エラーで停止する。リソースが全部揃っていても出る無意味なルーチンなので、autorun.exeという名称で同一フォルダに配置して実行するだけでautorun.exeからコールされたと勘違いするwrapperを作りたい。オリジナルのautorun.exeを提供するのでその流れを解析してみて。For start program run autorun.exe」

 マジカルチェイスはCDにあるautorun.exeからゲーム開始ボタンを押すことでインストールフォルダのMCHASE.EXEが呼び出されて起動する仕組みですが、autorun.exeがそもそもWindows11に対応していないうえ、インストーラも正常動作せずMCHASE.EXEを呼び出すまで進行しません。
 Claudeは「MCHASE.EXE WGOPA242」のように第1引数にWGOPA242という文字列を与えることで直接実行できることを発見しましたが、MCHASE.EXEを実行するとディスプレイモードが「256色または65535色でないと起動できない」カラーチェックに引っかかってエラー終了しました。


・プロンプト4回目/Claude Sonnet 5
「ddraw.dllでフックしてもカラーチェックでコケるので、偽のディスプレイ情報を返すルーチンを組み込まないとダメみたい」

 今振り返ると我ながら酷すぎる伝え方ですが、これでディスプレイモードがフルカラーでも色数チェックを通過。
 しかしQUESTのメーカーロゴが表示されたまま画面が一切更新されず、バックグラウンドでひたすら音だけが聞こえる状況になりました。


・プロンプト5回目/Claude Sonnet 5
「mchase WGOPA242でゲームが始まり、カラーチェックも突破できた。一番最初にメーカーロゴは表示されたが、それ以降はゲームは裏で進行するものの画面はずっとブラックアウト状態ですね」
(ブラックアウトしたスクリーンショットを提供)

 ここからひたすらトライアンドエラーの戦いが始まります。
 Claudeはiniファイルでのパラメータ指定と、実行時にログファイルを生成することを提案してきたので受理しました。
 cnc-ddrawを組み込んだコードを吐いてきたものの、ディスプレイまわりの挙動がおかしかったので次のプロンプトで起動修正を要求します。


・プロンプト6回目/Claude Sonnet 5
「コイツを組み込んだ途端に縦置きセカンドモニタの解像度がバグってウインドウが変な位置に飛んで行ったうえ、マジカルチェイスもブラックアウトでQUESTのメーカーロゴすら表示されず、ひたすらバグっていた。そのソースを組み込むのをやめて、旧来の単独ddraw.dllを拡張する方針の方が良いのでは?」

 コイツとは言わずcnc-ddrawを組み込んだ途端にと言うべきだったものの、運良くClaudeが察してくれて無事に受理。
 standalone bundleというClaude自信がビルドしたバージョンとVisual Studio 2026でビルドできるソースコードの2つが提供されたものの、やはり正常動作しません。


・プロンプト7回目/Claude Sonnet 5
「standalone bundleはメーカーロゴの直後にフリーズしてプロセスがクラッシュしたのでログを提供します。ソースコードはビルドすらできませんでした(以前まであなたが提供していたソースは全てx86 Native Tools Command~でビルドできていたのが同じ環境でも駄目になった」

 これでビルドできるコードが吐かれたものの、メーカーロゴ後にクラッシュする不具合が発生。
 ログファイルを提供して修正が加えられたstandalone bundleとソースコードが返ってきて、前者はメーカーロゴ後にクラッシュ。
 後者はメーカーロゴが表示されたまま画面が更新されない(=最初期と全く同じ状況)となりました。


・プロンプト8回目/Claude Sonnet 5
「あなたのビルドはメーカーロゴ直後にクラッシュする。ソースコードはビルドが通るようになったけど、メーカーロゴの直後はブラックアウトしたままだ。
あと、今気づいたけれど一度プロセスをバックグラウンドに戻して再びウインドウをフォアグラウンドに戻した瞬間に再描画でブラックアウト状態から1フレームだけ画面が描かれていた。この再描画を常時60fpsで行うことで描画を再現できるのでは?」

 ここで私がおかしなことを要求してしまい、作業プロセスが遠回りに。
 ClaudeはSetTimerで60Hz周期でInvalidateRect+UpdateWindowを実行して強制再描画を行うようルーチン修正を加えたものの、根本解決には至らず。


・プロンプト9回目/Claude Sonnet 5
「強制再描画ではメーカーロゴで画面が点滅するだけでそこからキーを一切受け付けずに進行すらできなかった。(これはビルド版もソース版も挙動に違いはない)やはりブラックアウトや再描画でしか画面が描かれない原因を追及し、根本的に描画を促すように処理が必要だと思う。ちなみにMCHASE.EXEを強制的に書き換えてカラーチェックを強制突破した場合も同じ現象が発生し、カラーを256/65535色にした場合はこのブラックアウト問題は起こらないようだ」

 このプロンプトでClaudeが再調査した結果「起動ロゴとゲーム本編が全く違う描画ルーチンを用いている」と判明。
 プログラムのアドレス0x419189〜0x419342で256色ディスプレイのパレットを選んで画面描画を行っているルーチンを特定し、ここをハックする方針になりました。
 ここからしばらくフリーズとログ提供の繰り返しです。


・プロンプト10~12/Claude Sonnet 5
「メーカーロゴで1秒くらい音が鳴った直後に音もストップしてフリーズして終わりでした」「あなたがビルドしたものもソースコードも同じくロゴ1秒後くらいでフリーズします」「forceRepaint = 0 を 1 に書き換えて1回フリーズするまで実行したログを提供します」

 ここでやや暗礁に乗り上げ気味。ひたすら同じ状況が続きます。


・プロンプト13/Claude Opus 5
「やはり改善が見られない。君のモデルをopus5に変更し、根本的なバグ解決に挑んでほしい。あと、DxWndという窓化ツールをうまくカスタムすることでフレームに収まらないものの画面描画に成功している海外のフォーラムがあったので、そのインポート定義ファイル(dxwファイル)も君に提供します」

 ここでついにモデルをOpus 5に変更…つーか最初からコレでいけば良かったです。
 (この反省以降、基本的に解析系はSonnet 5を使うのをヤメました)
 ちゃんと動いている環境を見せることで改善を狙う方針へ。


・プロンプト14/Claude Opus 5
「君のビルドはロゴの後にクラッシュ。ソースコードからのビルドだと相変わらずロゴの後にブラックアウトのままゲームが進行しますね」
「相変わらず君のビルドはロゴの後でクラッシュ。こちらでビルドしたものはブラックアウトのまま進行で変化ないので、ログファイルを提供します」

 このタイミングでついにプログラムの0x0041d6eeにRGBパレット変換ルーチンをClaudeが発見。
 Claude自ら生成したstandalone bundle版は正常動作しないものの、ソースコードをVisual StudioでビルドしたMCHASE.EXEと同じフォルダに入れて実行したところ、描画位置はおかしいもののついに動作するようになりました。


・プロンプト15/Claude Opus 5
「君のビルドは相変わらずクラッシュするが、ついにソースコードからビルドしたものはゲームが進行するようになった(ウインドウ枠に対して微妙に黒枠があって表示範囲がおかしいが)ただ、ウインドウを移動した瞬間にプログラムが落ちるので、何かコードにバグがあるようだ。とりあえずbundle版はもう作らなくて良いので、ソースコードだけ提供してほしい」

 ついに動作したことを伝えつつ、クレジット節約のためClaudeはもうビルド作業をしなくて良いと指示し、現時点の不具合を報告。
 この段階で完璧にゲームが遊べるレベルのddraw.dllが生成されたため「マジカルチェイス for Windows95をWindows11で正常動作させるツール」としてネットに正式公開しました。


・プロンプト16/Claude Opus 5
「今回のバージョンでついに完璧に思い通りに動作するようになった(素晴らしい)。
あと、マジカルチェイスにはパッド入力のバグがあり、それを修正する有志パッチがネットに公開されている。
https://lavendy.net/special/driver/mc_patch/index.html
適用前と適用後で比較すると下記のバイナリ差違があった。
000204C4: 2B 41
000204C5: F7 90
00020517: 2B 46
00020518: C8 90
これらはメモリアドレス4210C4を41、4210C5を90に。421117を46、421118を90に書き換えれば実現できると思う。今回のddraw.dllにメモリパッチ機能を搭載し、ddraw.dllが同じフォルダに存在しているだけでパッド入力のバグを修正できるようにできるだろうか?」

 画面描画が正常化したタイミングでlavendy.netさんのコントローラバグ修正パッチをメモリアドレスに適用化させる(=ユーザがバイナリ修正しなくてもコントローラバグが直る)ようにddraw.dllに新たなコードを追加。
 個人的には単にパッチを当ててくれるだけで良かったのですが、Claudeは「どうしてコントローラバグが発生するのか、論理的な理由を突き詰めたうえで修正」という、なかなかなインテリぶりを発揮してきました。


・プロンプト17/Claude Opus 5
「このゲームはアドレス4A0F68に主人公の体力値が1バイトで格納されています。
TABキーを押した瞬間にその瞬間の体力値を同アドレスに同じ値を書き込み続けて保持しながら、ゲームの進行スピードを4倍速に引き上げることはできる?」

 唐突なスピードハックの要求(他にやることあるやろ)。
 ちなみに体力値を保持したままを要請しているのは4倍速だとまともに操作できなくて激突して一瞬で死ぬため。


・プロンプト18/Claude Opus 5
「https://note.com/retoropc_etc/n/na988085fb76f
この記事を読むと、このソフトにはどうやらデバッグメニューがあるらしい。
「具体的な手順としてはMCHASE.EXEをコピーして7ZIPで解凍して、できたフォルダ内の.rsrcフォルダ内の1033フォルダ内のMENUフォルダにあるMCHASEとMCHASEDEBUGがタネ。それらとMCHASE.EXEをバイナリエディタで開いてMCHASE.EXE内を検索すると、ある位置にMCHASE-MCHASEDEBUGと並んでいる箇所があるので、それをMCHASEDEBUG-MCHASEと入れ替えるだけでOK」
とあるので、これをddraw.dllを同一フォルダに置いて実行するだけで有効化することは可能だろうか? もし出来ることが確認できれば ddraw_shim.ini にdebugMenu=1で出せるようにすると面白そうだ」

 今度は「とあるレトロPCオタ」さんの記事を元にメモリパッチでデバッグメニュー復活を要請。これもClaudeは構造を完全に分析して、RegisterClassAをフックしてメニューに与えるパラメータを差し替えて対応してきました。
 いちいち手法がスマートすぎる。


・プロンプト19/Claude Opus 5
「PCエンジン版マジカルチェイスにはRUNボタンを押しながらSELECTボタンを押すと電源が切れてメーカーロゴまで戻る機能があります。Windows版にユーザのボタン操作でメーカーロゴまで戻る機能は存在している? もし存在しなければ、ddraw.dllにENTER+BSキーでメーカーロゴまで戻る機能を追加してみてほしい」

 Windows版マジカルチェイスには何故かリセットが実装されておらず、タイトル画面に戻るためにいちいちプログラムを終了する必要があったので、それを解決するために要請しました。
 しかし、この実装だとENTER+BSを押した瞬間にプロンプト3で解決した「For start program run autorun.exeエラー停止」の問題が再発したため、次のプロンプトで解決を狙います。


・プロンプト20/Claude Opus 5
「mchase.exe WGOPA242のオプション引数を付けないと停止するので、このままでは動作しないはず。あと、今でもmchase.exe WGOPA242として実行しなければ進行できないのが面倒なので、ddraw.dllに強制的にmchase.exe WGOPA242として進行するように機能を追加できる? あと、今回からddraw_shim.iniのdebugMenu のデフォルト値をdebugMenu = 1にしていいよ」

 これでddraw.dllがWGOPA242パラメータを橋渡しするようにルーチンが追加され、この段階で「ddraw.dllをMCHASE.EXEと同じフォルダに置くだけで、マジカルチェイス for Windows 95がWindows 11で完全プレイ可能になる」が実現しました。


・プロンプト21/Claude Opus 5
「このゲーム、一時停止のためのポーズキーがESCに固定されていて遠くて押しづらいので、シューティングのメインゲーム中だけ限定で、任意キーコードでポーズ画面を呼び出せるようにddraw.dllを拡張できる? INIにはpauseKey=みたいなパラメータで良いと思う。デフォルトはENTERキーでポーズになってくれるとありがたいけど、難しいかな(もしも絶対に無理だと判断したらBSキーでもいいよ)」

 ポーズがESCキーなのが遠すぎて不便だったので要請。
 ちなみにこのゲーム、デフォルトキーボード割り当てが「テンキー8246とA/Sキーだけ」というメチャクチャなキーレイアウトだったりします。


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 以上が「マジカルチェイス for Windows95をWindows11で正常動作させるツール」をClaudeが完成させるまでの一連の流れでした。
 世の中にはWindows 11で正常プレイできないゲームがたくさんありますので、AIのパワーを使ってそれを一つでも現代に対応できるようになることを祈ります。

GMPV3Studioを公開しました

<とても重要なこと>
 プログラムGMPV3Studioは「えうろぱ氏」作のPC-9800シリーズMS-DOS専用プログラム「ゲームミュージックプレーヤー/GMPV3 (https://www.vector.co.jp/soft/dos/art/se018434.html) 」をClaudeで解析し、Windows上の仮想マシンから実行できるようにするランチャー方式の音楽プレーヤーです。
 しかし、えうろぱ氏との連絡が2007年頃から出来ずお礼の言葉を届ける術がないため、もしも同氏の連絡先をご存じの方はご一報いただければ幸いです。

 PC-9800シリーズ用ゲームソフトの楽曲をWindows上で再生する「GMPV3Studio」を下記サイトで公開しました。

https://i486.mods.jp/ichild/gmpv3studio

仮想プリンタドライバ「ALL-JOINT-PRINTER」へのリンク

 エクセル・ワード・パワーポイント・PDFなど異なるフォーマットのファイルを1冊にまとめたり、文字・画像・図形挿入、部分消去、PDF/JPEGエクスポート機能などが使えるフリーのドキュメント編集ツールをアップしました。
 詳しくは下記リンクをご覧ください。

仮想プリンタドライバ「ALL-JOINT-PRINTER」
https://i486.mods.jp/ichild/ajpr

aliexpressでPS5が47,637円特価セール中(国内発送)

 最近、Xにaliexpressの直リンクを張ると凍結or BANされるようになったので、念のため自分のサイトで特価リンク張るテスト。

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マジカルチェイス for Windows95をWindows11で正常動作させるツール(update#5)

 PCエンジンの超レアソフト「マジカルチェイス」は、家庭用だけでなくWindows移植版として「マジカルチェイス for Windows 95」が存在しています。
 ※かつては捨て値で売られていたのですが、今やコチラもレアソフトに…。
  (参考リンク:駿河屋「マジカルチェイス for Windows 95」)

 しかし名前のとおり「Windows 95用に作られたソフト」のため、画面が24ビットカラーだと動作しない、ウインドウサイズを変更できない、CDの起動ボタンをクリックしなければ開始できない、Windows11だとインストーラすら動かないなどなど、仮に入手できてもプレイ環境を作るのが超大変という大問題がありました。

 ですが、AIパワーでゴリ押しした結果、ついにそれらの問題を解決できました。
Download : mchase-wrapperDLL.zip (update #5)

・このツールを使うと何ができる?

1.インストーラを使わずにゲームを実行できます。
 レジストリを触らなくて済むので理論上はUSBメモリ上でも動きます。

2.画面カラーを8ビットカラー&Windows95互換モードにせずに実行できます。
 これが一番重要! 窓化ツールとかアレコレ設定しなくてもサクッと動きます。

3.画面サイズを自由に拡大縮小できます。
 4K解像度のデカいモニタでプレイする人にも必須でしょう。

4.WindowsXP以降でゲームパッドが左上に入りっぱなしになるバグを修正(update#1)
 起動時にメモリパッチを当ててゲームパッドの暴走を抑制します。
 (参考:lavendy.netさん[Magical Chase コントローラ動作パッチ])

5.ゲーム中にTABキーを押すと無敵&ゲーム進行を4倍速にできます(update#2)
 厳密には任意倍速&チート機能ですが、詳しくはddraw_shim.iniを参照。
 ちなみにゲーム中以外にスピードを上げるとバグるのでプレイ中限定です。

6.デバッグメニューを有効化しました(update#3)
 ステージセレクトやアイテム追加などの効果が得られるデバッグメニューを搭載。
 ※不要な方は ddraw_shim.ini の debugMenu = 1 を 0 に変更してください。
 (参考:とあるレトロPCオタさん[Windows版マジカルチェイスの起動方法(中略)])

7.ENTERキーでポーズ可能&ゲーム再起動を実装しました(update#4)
 デフォルトではESCキーがポーズ(一時停止)に割り当てられていますが、遠くて押しづらいのでENTERキーに「決定」「ポーズ」の両機能を割り当てました。
 ENTERを押しながらBSで、PCエンジンのRUN+SELECTに相当(ゲーム再起動)するように追加機能を実装しました。
 これまでautorun.batから起動していたのをEXE単品起動するように修正しました。

8.ALT+ENTERで画面解像度を変更せずフルスクリーンを実装しました(update#5)
 もともとのフルスクリーン(ディスプレイ解像度変更)はマルチモニタに対応しておらずウインドウ位置がバグりまくってしまうので、ゲームを「フレームレス左右黒帯付き4:3」に拡大して擬似フルスクリーン化できるようにしました。
※INIファイル編集で16:9の横長画面フルスクリーンも可能です。

というわけで「マジカルチェイス for Windows95を実行するのが面倒くさくて、せっかく買ったのに全然起動してねえな…」という人は、是非是非お試しあれ。

 

ストリーミング動画配信プログラム[Mini Media Server] (update 260904)

(スクリーンショット)

~Mini Media Serverってなに~
(わかる人向け:EDCBとかで撮り溜めた録画鯖の動画をロケフリにするやつ)

 かつてAndroidには「Qloud Media」という有料ストリーミング配信アプリがあったのですが、最新版Androidでは実行すら出来なくなりました。
 昔のアプリだけあって、低速SIMでも再生できるまで画質を下げて自宅PCに撮り溜めた動画をスマホから再生できたりと大変便利だったので、どうしたものかなぁと。

 とにかく「自宅PCの動画フォルダからファイルを選択できて、いちいち画面遷移しなくても解像度やビットレートを選べて、自前でストリーミング機能は要らないからffmpeg使えて、再生も専用クライアントソフトがなくてもウェブブラウザだけでいけて、そんなに機能は充実しなくていい。Qloud Mediaの代わりにさえなってくれれば良い!」

 …と、ひたすら条件をAIに食わせまくった結果、実用レベルの動画ストリーミングプログラムが出来ました(Visual Studio 2026でビルド)。
Download: Mini Media Server (vidserv-260904.zip)

~こういう人に最適~
・Windowsで録画サーバを立てている。
・出先からスマホで録画サーバの動画を視聴したい。
・録画フォルダはせいぜい5箇所程度で深い階層を掘る必要はない。
・TailscaleやSoftEtherなど自宅PCに遠隔アクセスできる。

~ざっくり使い方~
1.ffmpegと同じフォルダで実行するとsettings.iniが自動生成される。
2.setting.iniを編集して動画格納フォルダなどを指定。
3.再び実行して動画サーバプログラムが起動。
4.ウェブブラウザから http://localhost:8080/ を開いて動作テスト。
5.ファイアウォールの設定でポート8080を開ける。
6.外出先から開けるようにPCとスマホ両方に個人向けTailscale導入。
7.スマホで htttp://tailscaleのアドレス:8080/ を開いて動画を再生できるか確認。
8.ウマー。

 あとreadme.txtにも書いてますが、機能追加やサーバプログラムをWindows以外で実行したい人は同梱のvidserv.cppをAIに食わせて自力で改良しちゃってください。

クーリースカンクLED版の再販きた!!


 というわけで、クラファンで買い逃した人は必見の「LED版SFCクーリースカンク」の再販がスタートしました!
 2026年3月7日13時現在はまだ在庫も豊富にあるみたいですが、LED版は二度と再生産されない可能性が高いので、このチャンスにゲットしておきませう(・Д・)
販売サイトのURL(アフィないから安心しる)
https://store.crossx.info/s/shop

・・

 あと、根性ある人は↓の記事もチャレンジしてみてね。

LED版クーリースカンクにプレミア価格? 興味ないね
https://i486.mods.jp/ichild/cooly-hack